ブングログ

手にした文具のことから本のことなど

万年筆とノートの裏写り

万年筆と紙の裏写りは切っても切れない関係のように思います。
書けば書くほど、裏写りがどうしても気になってしまう。
雑誌に特集記事組まれてるときもあるし、そんなの見るといやでも気になる・・・と、そんな時期がありましたが、日常的に万年筆と付き合っていくうちに、だんだん気にならなくなってきました。

道具に慣れていくにつれて、使う紙を変えたり、ペンを変えて使うようになったのですが、それでは先が続かないので、私がよく使う紙で実際の裏写り具合を見ていただければと思います。

わりと一般的な手帳の紙

私はフランクリンプランナーのオーガナイザー(綴じ手帳)を3年ほど使っています。
紙質はよくある普通の手帳の紙です。
最初はFニブのコクーンで書いていましたが、罫線が狭いので文字がつぶれてしまい、現在はパイロットのカスタム742のEFニブもしくは、プラチナセンチュリー#3776のUEFを使っています。
時にはプレビーの0.2を使うことも。
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裏写りは写真のような感じです。
Fニブで書いていた頃は裏に少しにじむこともありました。
オーガナイザーを使う前は、同じくフランクリンプランナーのコンパクト(ワイドバイブル)サイズのリフィルを使っていました。こちらを万年筆で試したことはないのですが、オーガナイザーよりやや紙が厚いので、それほど裏写りは気にならないかもしれません。

オーガナイザーには個人的な予定や仕事の予定やタスクなど、自分にかかわることを書き込んでいるので、打ち合わせの席でそれを広げることはまずありません。
(あったとしても、見開きカレンダー部ぐらい)そのため、打ち合わせの時にはもう一冊手帳を持ち歩くのですが、これは弊社のオリジナルシステム手帳バインダーに、ダヴィンチの無地、もしくはライフノートの無地のリフィルを入れて使っています。

どちらも裏写りを気にすることはなく、普通に使っています。
細かい字を書くことが多いので、持って歩くのは極細や超極細の万年筆のことが多いですが、罫線や枠を気にして書くことがないので、Fニブの万年筆も使います。

上質紙70kgの紙に書いた場合

写真はラリーで使うペースノートに試しに書いたものです

ラリーで万年筆を使うことはありませんが、よくある国産の紙質のノートなので試してみました。

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上は「ふでDEまんねん」を寝かせて太めに。
下はプラチナ#3776センチュリー「山中」F
紙は上質紙70kg。
よくある普通の紙ですが、裏写りはこの程度。

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インクフローの良いプラチナのFで、止めの部分がちょっと溜まるかな?というぐらいで気にするレベルじゃありません。

コクヨのキャンパスノートの場合

「ペースノート」なんてラリー屋さんしか使わないし、現場で万年筆で書かないじゃん!といわれると、まったくもってその通りなので、コクヨのキャンパスノート持ってきました。
東大合格生のノートのとり方から生まれた ドット入り罫線のキャンパスノート」です。こういうの、私が学生の頃に欲しかったです。
初めて登場したときに買ったのですが、使い切れずにはて何年前でしょうねぇ・・・

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コクヨのキャンパスノートも裏写りは気にならないレベルです。
日本製の紙でいわゆる中性紙などは、そんなに神経質にならなくても良いかなと思います。

L!EFのノーブルノートだと・・・

おもえば、マルマンのニーシモネも書き心地が良いノートでした。好きなので使っていますが、最高に気持ちの良い書き心地をとるなら、老舗のL!FEノートのノーブルノートやレノバーノートは鉄板でしょう。
気持ちよくって、顔がニヤニヤします。
滑るように書けるんですよね・・・(好きなのでお店にも置いています)
写真が暗くてなんですが、写真はノーブルノートのA4レポート用紙。

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こんな感じですね。
L!FEは私が好き過ぎて止まらなくなるので今回は深追いしませんが、国産で主だったものはこんな感じです。

モレスキンの場合

それなりに良いお値段がしますが、とても人気の高いノート、「モレスキン
私はアイディア帳としてのA5サイズと、気に入った言葉やコピーを書くB6相当サイズの2つを持っています。(どちらも無地)
モレスキンは創造力をかきたてられそうで、なんだかワクワクする佇まいなので大好きなのですが、万年筆との相性はイマイチです。
特にインクフローが良い万年筆だと、FだろうがEFだろうがUEFだろうが、裏写りします。
というか、裏写りってこれだよね!!↓レベル。

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写真の上が、先日パイロットのペンミュージアムで書いたブレラのCMニブ。
下がいつも使っている、#3776のUEF(超極細)。
同じFニブでも、コクーンと山中では異なり、インクフローが良いセンチュリー山中の方が強く裏に出ます。

そのため、モレスキンに何かを書くときは、UEFもしくEFかコクーンを使います。
細かくぎっしり書きたい時は必然的に細いニブになります。

あ、付箋の3Mポストイットもわりとこんな感じで写ります。
(日本の紙は優れている・・・)

写りたくないなら、無難なのは国産中性紙

私の手持ち万年筆の範囲では、油性のマジックやコピックのような写り方はしないので、神経質にならずに気に入ったノートや手帳に書いていくのが良いと思いますが、どうしても写るのが気になる場合は、国産中性紙のノートを選ぶのが無難だと思います。

おまけ・・・結局のところ、慣れたら全て愛おしい

万年筆を使い始めた頃は、やたら神経質になっていた裏写りも、私にとって万年筆という道具が「特別な道具」から「普段の道具」になるにつれて、気にせずその時の気分で選んでガンガン書いていくようになりました。
楽しいし、前のページのインク滲みも味があるように思えてくるんです。
写るのも、その紙と万年筆とインクの個性のように感じられて愛おしいのです。

セーラー万年筆 「ふでDEまんねん」

初めてこの名前を見たとき、某製薬会社的なネーミングに、微妙な胡散臭さを感じたものです。

なにしろセーラー万年筆は「ハイエースネオ」しか持っていなかったので、その使用感でなんとな~くセーラー万年筆は遠くから見ていた感じなのです。
そのため、セーラー万年筆が老舗のブランドで、とても腕の良い職人さんがたくさんいて、ファンがたくさんいらしても、安価で手軽な万年筆ではその恩恵は受けられないんだろうなぁ・・・と思っていました。
はじめての万年筆の第一印象って大事だなぁと今でも思います。

「ふでDEまんねん」は雑誌で「長刀ふでDEまんねん」を絶賛していたことでとても興味をもちました。
また、万年筆画の先生の記事でも、「ふでDEまんねん」をお薦めしていたので、1本で細い線から太い線まで表現できる万年筆って、どんなんだろう・・・と俄然興味をかきたてられました。
そこで入手したのがプロフィット ふでDEまんねん」です。

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普通のプロフィットシリーズの万年筆の佇まいです。2000円です。

パッケージに色気も何もないですが、使い方の説明があるので、初めての方に安心してお勧めできます。

残念ながら、長刀ふでDEまんねん」は完全受注で現在は注文を受け付けしていないそうなので(あっても買えないけど)、現在手に入るのは、「プロフィット ふでDEまんねん」(2000円:東川口本店でも販売中)もしくは、「ふでDEまんねん 若竹(55度)」(1000円)か「ふでDEまんねん(紺:40度)」(1000円)の3種類です。

プロフィットと若竹はいずれもペン先角度は55度。立てて書く人に向いています。

(写真はプロフィットのペン先です)

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紺の40度は寝かせ気味に書く方に向いているそうです。
商品のラインナップからみるに主流は55度なのでしょう。

このふでDEまんねんの面白いところは、立てて書くと細字、寝かせて書くと太字に変化するところです。(ふでDeまんねんのインク色はプラチナのブルーブラック使用)

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これは他社の万年筆にはない特徴で、最初は多少の慣れが必要ですが、慣れてしまえば自由自在に太く書いたり細く書いたりすることができます。
大きく文字を書いて遊ぶのも楽しいです。
筆のような筆致が手軽に楽しめます。楽しいというか面白い!
これは実用重視で使っているFやEF、UEFにはできない事です。
確かに、このペンなら顔料系インクを使って水彩画を楽しむこともできそうです。

筆記感はステンレスニブ特有の硬めのカリカリ感。
インクフローも悪くはありません。
ハイエースネオで1000円だすより、もう少し出してこちらをお薦めします。

確か、ふでDEまんねんと同じぐらいに出てきたのが、マイファーストだったような気がします。

それと、前回ちらりとご紹介した「クリアキャンデーシリーズ」。
実はマイファーストに入っている通常のペン先と「クリアキャンディー」は同じもののようです。というか、ボディはクリアキャンディーですね。多分同じでしょう。

ペン先は「クリアキャンディー」と同じステンレスの中細。

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ハイエースネオ」よりニブも広めでインクフローもまずまず。
(最初にマイファーストを手にしていれば、私のセーラー感はもっと違ったかもしれません。)

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マイファーストは2000円で1本のボディに中細ニブと特殊ニブ(ふでDEまんねんの55度)の両方が手に入るので、「クリアキャンディー」の可愛いらしすぎさとチープさにちょっと手が出し辛いと感じたら、このマイファースト」がおすすめです。

写真はマイファーストとプロフィトふでDEまんねんのニブです。

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ふでDEまんねんの特殊ニブが気に入らなかったら、ペン先を変えて普通の万年筆として使えば良いのですから。
なお、セーラー万年筆のサイトにいくと、「マイファースト」も在庫限りとのこと。

私のお店でこれは置いていないのですが、このまま終わってしまうのでしょうか。
もしもマイファースト」に興味をおもちでしたらお早めに。

このセットに入っていたセーラーのブルーのインクはとても鮮やかで優しい印象の青。とても好きになりました。

ふでDeまんねんとマイファーストで、ワンランク上のセーラー万年筆が気になってきました。
物欲センサーが大変なことになりそうです・・・

ボディバッグ SALE中!3月31日まで!

3月1日からスタートした、ボディバッグ ワゴンセールが最終週に入りました。
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肩にかけるとわかるのですが、びっくりするほど軽いバッグです。
普段フランクリンプランナーのとじ手帳(分厚い)にモレスキン2冊、文庫本に万年筆の束をと、バッグの肩紐が肩に食い込んで痛いのに、このバッグでは苦にならなくて驚きました。
一個欲しいです。(真剣)

来来亭隣の仏具屋が目印!

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私のお店は、隠れ家が本当に隠れて見つからない!という立地です。
のぼり旗を立てましたが、お店はビル2階の階段の奥深く。
実は一階の仏具屋さんのSALEと間違えられてんじゃないか?と思うほどの隠れっぷりです。
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隠れすぎて気付かれてない

このセールは、東川口本店のみで開催中のワゴンセールです。
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ここに出ているだけなので、ご興味のある方は、お早めにご来店ください。

営業時間 午後1時〜午後7時まで
日・祝・月・木 休み

パイロット ペンステーションミュージアムに行ってきました

都内に出たので、せっかくなので京橋のパイロット本社にある、ペンステーションミュージアムに行ってきました。

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平日、入場無料で見学できます。
 
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写真撮影もOKですが、夢中になってあまりほとんど撮ってません。
館内は蒔絵の万年筆コレクション、筆記具の歴史や構造など、長い歴史ある会社ならではのコレクションが揃っていました。
 
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矢立てが武将が戦陣に持参した硯箱が原点とは知りませんでした。
写真を撮り忘れましたが、かつて矢立ての軸に墨を入れて、自動的に筆先に墨をたくわえてすぐに書ける様にするコンセプトで作られた、まさに「日本的万年筆」のようなものも紹介されていました。
元祖「ふでぺん」と言えますね。
写真撮り忘れたの残念でなりません・・・・orz
 
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ちょうど、光圀伝 を読んだ後で、泰姫が江戸と京の水の違いの話をしている時に出てきた「水滴」ってどんな道具だろうと思っていたら・・・ありました。
読んでいる時の脳内イメージでは、小ぶりな醤油さし的なもので、水をチョロッと入れるのかと思っていましたが、もっと繊細でした。
 
色彩雫シリーズインクの試し書きコーナーがあり、初めてカリグラフィニブで書きました。
これは、楽しいです。
このニブの万年筆が欲しくなりました。
 
カリグラフィ用ニブはカリグラフィ書体しか書いてはならないという理はないのですね。実際に書くことができてよかったです。

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とてもたのしかったペンステーションミュージアムですが、残念ながら3月31日で閉館です。
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本社ビル建て替えに伴うそうですが、工事が終了し帰ってきた後のミュージアムの再開は未定とのこと。
これだけのコレクションです。是非復活して欲しいです。
 
もうあまり時間がありませんが、興味のある方は是非足を運ばれてはいかがでしょうか。
 

1000円万年筆比較してみた

セーラー、パイロット、プラチナ。

国内3社が販売している、1000円(+税)で買える入門万年筆を揃えましたのでレビューを・・・

「ためしてみたいけど、どれ選べばいいかわからない」
「難しそう」

「万年筆ってインク固まるとダメになるんでしょ」

「インクなくなったらどうするの?」

など、実際にお店でお客様にご質問いただいたこともあわせてご紹介します。

試したいけどわからない

わかります。

私もわかりませんでした。

本で見る万年筆はどれも10000円~上を見れば中古車、いえ新車買えるクラスものもまで。

「なんて高級な文具なんだ・・・」と思いました。

「ちょっと試してみたいのに、5000円とか出せないよ・・・」

わかります。私もそうでした。

このところ、各メーカーはそんな万年筆に興味ある方向けに、様々な入門機種を用意しています。
お試しにはとてもお手ごろな200円~出ています。
ですので、ちょっと試してみたいなら、以下の代表的なところで、(価格は税抜き)

プラチナ プレビー(200円~300円)

プラチナ プレジール(1000円)

パイロット カクノ(1000円)

セーラー ハイエースネオ(1000円)

セーラー クリアーキャンディー(1000円)

がおすすめです。

この中で、私が所有しているのは、プレビー、プレジール、カクノ、ハイエースネオです。
ですので、この所有している範囲内でお話したいと思います。

プラチナ プレビー

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万年筆界最安値の1本。
太さはM字相当の0.5 F字相当の0.3 EF字相当の0.2
軸のカラーは0.3が一番豊富で7色。
0.3と0.2は黒・赤・青3色。
いずれもそれぞれの軸色に合わせた色のカートリッジインクが付属しています。
(プラチナは別売りのカラーカートリッジインクが全9色あります。)
ニブ(ペン先)はステンレス製(摩耗に強い特殊合金ポイント付)。
硬めのカリカリとした書き心地が特徴です。

実はプレビーはすごい万年筆で、カートリッジインクを差し込んだまま1 年経ってもインクが乾かない” スリップシール機構”のキャップが標準装備。
10000円のプラチナ#3776センチュリーと同じ機構のキャップです。
(固まるのが怖い、プラチナやセーラーの顔料インクが心置きなく使えます。)
0.5、0.3が200円、0.2は300円です。

それぞれの太さの使いどころですが、最初は0.3が使いやすいと思います。
手帳や細かい字が書きたい場合は0.2がおすすめですが、0.2は細い分インクフローがあまり良くない傾向があります。
0.5は大きくガシガシ書くのに向いています。インクフローが良い傾向があります。しかし太いので、細かくビッシリ書く人や、手帳に書くのは不向きです。
迷ったら、まずは0.3(Fニブ相当)をお選びください。

プラチナ プレジール

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プラチナ万年筆の1000円万年筆。
細字0.3(Fニブ相当)中字0.5(Mニブ相当)の2種類で、0.3は軸色が7色。
0.5は3色あります。
この色の種類だけでも、基本的に一番選ばれているのが細字の0.3だということがわかります。
書き味はプレビーと全く一緒です。

全身樹脂ボディのプレビーとは違い、プレジールはアルミボディの万年筆です。
1000円シリーズの中では唯一のアルミボディ。
そして、写真で見てもわかるように、ニブなどの機構はプレビーと全く一緒!
もちろん、プラチナ自慢の「スリップシール機構」搭載です。
プレビーと違うのは、ボディだけじゃありません。
両用式でコンバーターも使えます。
(プレビーも使えるらしいですが、公式はおすすめしていません)
また、プレビーを頻繁に使っているとまれにあるのですが、プレビーは樹脂キャップが割れる時があります。その点、プレジールはアルミなのでその心配がありません。

プレビーのキャップ割れは「価格相応」と思って割り切ってしまうのがおすすめです。
きっと、プレビーのキャップが割れるほど使った頃には、もう少し良い万年筆が欲しくなると思いますから。

プレビー・プレジール購入時の注意
プレジールもプレビーもわりと量販店でむき出しでおいてあることが多いです。
そういうお店で購入する場合は、ペン先をよく観察してください。
無茶な触られ方をしておかしくなっている場合があります。
プレビーにいたっては、すでにカートリッジが刺さっているケースもあります。
左右の高さが違う、なんか他のより隙間が広いかも、ポイントがやたら他のよりでかい、ペン先が変形している、という場合もまれにあります。
プレビーならまだしも、1000円のプレジールではがっくりくるので注意してください。

パイロット カクノ

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1000円万年筆ブームの火付け役というか、ある種ものすごい人気というか、本当にはじめて万年筆を使いたいという方に、プレビーではなくこちらを勧めてしまうほどの万年筆。

グッドデザイン賞キッズデザイン賞を受賞と言われ、納得の1本。
「え?キッズ?」
そう。もともとカクノはお子様向けに開発されました。
海外メーカーでは、以前からペリカンが学童用を出していますが、それの日本版がやっと出た・・・という感じでしょうか。

「はじめての万年筆」ということで、ボディは握りやすい太めの六角形。正しく握れるように配置された首部分の凹み。そして、正しい位置がわかるようにニブに記された「スマイルマーク」(現在ピンクのインクが入っているので、うっすら色づいています)

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さらには、万年筆の使い方やお手入れ方法を記した、よみがな付きの取り説もセットされている、至れり尽くせり仕様!

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こちらもニブの種類は細字のF、中字のMがありますが、迷ったら細字のFを選んでください。
書き味は同じプラチナ プレビーの0.3(F相当)よりインクフローが良くて気持ちよく書ける印象です。
ニブの素材は特殊合金(とメーカーサイトに記載されてますが、ステンレスだと思います。ポイント部分がプラチナ同様に特殊合金なのだと思います。)

付属のインクカートリッジは何色の軸を選んでも黒です。

カクノもプレビー同様に使っているうちに二つほど物足りなさがでてきます。
その1つが、クリップがないこと。
机に転がしておくならいいですが、ポケットに入れるとか、手帳に・・・となると太さもあいまって不便さがでてきます。
その2は、大人の方で、打ち合わせの席上で出すと万年筆カッコいいけど、デザインが子供っぽい・・・とのことです。
まぁ、確かに・・・と思います。私もそう思って、打ち合わせの席ではコクーンつかってます。

カクノに物足りなさを感じたら、次の万年筆へステップアップですね。

セーラー ハイエース ネオ

わりと昔からあったと思います。
私が買ったはじめての万年筆「ペリカーノJr」のAニブに飽きて、もっと普通に使えるお手ごろ万年筆はないだろうか・・・と探した記念すべき2本目。
その当時はまだプレビーもカクノも無かったように思います。(買ってから出てきたような)
クリップにラインストーンを貼ってみたのは、あまりの味気なさに少し彩りを足したかったから・・・・・かえってチープだとも言われましたが・・・

f:id:haru-gc:20160323211525j:plainニブは細字ニブ。ステンレス製Fニブで、ボディは樹脂です。キャップはアルミ。
両用式でコンバーターも使えますし、最近はクリアボディのモデルもでていますので、インク色を楽しみながら使うことができると思います。

筆記感ですが、個体差もあるのでしょうが私のはインクフローがイマイチで硬いです。
このクラスに贅沢は求めないので、価格相応と思っています。

はじめてのセーラー万年筆がこれだったので、この後「ふでDEまんねん」を手にするまでコレより上のセーラー万年筆に手をだしていないです。

なお、セーラー万年筆は同じ1000円クラスで「クリアーキャンディ」という大変愛らしいモデルを出しています。かなり女性を意識したデザインです。
ニブは写真は左がハイエースネオ、右は「マイファースト万年筆」のセットに入っているMF(中細)ニブですが、これと同じニブです。

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もしセーラー万年筆で1000円万年筆を~と思うなら、同じ価格帯の「ふでDEまんねん」「クリアーキャンディ」もしくは、あともう一人英世さんを出して、「マイファースト万年筆」で両方味わってみるという選択肢があります。

「マイファースト」と「ふでDEまんねん」があるので、こちらのレビューはまた日を改めてご紹介したいと思います。

最後に・・・

万年筆は難しい筆記具ではないです。
普段から日記を書いたり手帳を使っている方でしたら「インクが乾いてダメになる」という心配はありません。
長く使わずに放置しているとインクが乾きますので(プラチナのスリップシール機構は以外)、使わないときはカートリッジやコンバーターを外して、ペン先を洗浄して乾かして保管すれば何の心配もありません。

また、鉛筆やボールペンみたいに筆記に力を入れる必要がないので書いていてあまり疲れません。気軽に楽しめますし、色々な色をいれて楽しめます。

インクがなくなれば、同じメーカーのインクカートリッジを差せばいいし、コンバーターに好きな色のインクを詰めれば良いのです。

「誰にも聞けない!」という方は、最初の1本は説明書がついている「パイロット カクノ」をおすすめします。
お店でしたら、初めての方にも使い方をお教えしますので、お気軽にお声掛けください。

東川口本店 「臨時」営業時間短縮のお知らせ

3月19日(土)は15時閉店です

3月19日~20日まで、2016年JAF全日本ダートトライアル選手権 第1戦 ダートトライアルin那須 に参加するため、東川口本店は15時で閉店させていただきます。

 

ダートトライアルって何?

 未舗装路の専用サーキットを1台ずつ出走してタイムアタックをする自動車競技です。

くわしくは、

zeus-japan.com

 をご覧ください。


ゼウスジャパンと何の関係があるの?

ゼウスジャパンの代表、権田哲也がドライバーとして参加しています。
ゼウスジャパンは雑貨や文具のお店だけではなく、モータースポーツ用品・自動車用品のお店でもあるのです。
何か相談したくても、もしかしたら、モタスポショップはちょっと入りづらいかもしれません。
でも、ゼウスジャパンならぶらりと入ってぶらりと出てこれます。(2階の奥ですが・・・)

文具と全然関係ないですが、こちらも大好きなので宜しくお願いします!

万年筆スケッチ入門 届きました。

個人的に購入した

古山浩一氏の「万年筆スケッチ入門」が届きました。

氏の絵は趣味の文具箱でよく見ます。

ぱらぱら~と読んでみて

趣味の文具箱に絵を寄せているのだから、きっと万年筆で書いているのだろう。
じゃあ、万年筆でどうやって書いているんだろう・・・

そんな疑問と興味があって購入しました。

下書きはシャープで、その上を万年筆で実線ではなく点で描くというのが新鮮でした。
「清書の線は実線」という自分の中にあった固定概念を覆されました。

氏のような深く味のある風景画や人物画を描くのは、コレ読んでハイ!っとできるものではありませんが、(デッサン大事ですよねぇ)この本をヒントにして自分の描きたいものを描きたいなぁと思った次第です。


おすすめ万年筆とインク

本書で紹介されていた、パイロットの色彩雫

とても美しいインクです。
ボトルの佇まいも大好きです。
ミニボトルが3本で2160円なので、好きな色を組み合わせて3色セットにできるのが、いろんなインクを試したい、色インクマニアにはたまらんです。
仕入れる際に同色3個セットでの購入になるため、私は季節に合わせてできるだけ標準にない色を選んで3色選んでセットが作れるように仕入れています。

顔料インクは・・・プラチナ#3776のスリップシール機構搭載モデルを使っていても、なかなかそれに入れる勇気がありません・・・チキンですみません。

「うっかりダメにしたらどうしよう」とどうしても不安が拭いきれないけど、顔料インクが使いたい場合は、安価なプラチナ・プレビーがおすすめです。
しかしながら、繰り返しつかっていると、キャップが割れやすいのが難点です。
また細字になればなるほど、インクフローにストレスがたまるのは価格相応でしょうか。

そこで、そんなにストレスを感じず、万が一を考えて懐が痛まない両用式はパイロットのカクノ
セーラー万年筆の「ふでDEまんねん」(これはこれで面白いのでまたいずれ)
プラチナ万年筆の「プレジール」(メーカーコンバーター非推奨・使えるという噂あり)でしょうか。

いずれも1000円(税別)で入手可能です。

「プレジール」でしたら、顔料インクのカートリッジがあるので、水彩と併用したい場合には、プレジール+顔料インクカートリッジが最強だと思います。
セーラー万年筆の「ふでDEまんねん」でしたら、極黒カートリッジの組み合わせが良いと思います。